映画『きみの色』を観た

8月最後の金曜日、アニメーション映画の『きみの色』を観に行った。月末で期限が切れるACチケットを消化するために何か観ようと思っていたのだが、ある日、テレビを観ていたらCMでこんな音楽が流れてきた。

なんだこのキャッチーな歌詞と中毒性の高すぎるシンセサウンドは???

青春×バンドもののアニメ作品の楽曲にしてはかなり尖った音作りをしていて、僕の好みにドストライクだった。劇中歌に惹かれて映画を観に行くというのは今までになかったパターンで、ワクワクしながら劇場まで足を運んだ。

自分らしさを肯定してくれる作品

バンドものでありがちな仲間との衝突など、何か劇的なことが起こる訳ではなく、ライブに向けて着々と物語が進んでいく。学校を中退しても誰もその理由を問い詰めようとはしないし、己の弱い部分や好きなことをさらけ出しても受け入れてもらえる、そんな美しい世界が柔らかな色使いの画面の中に表現されていたのがすごく気持ち良かった。

冒頭の設定提示といい、その他の各場面といい、なるべく物語を直接説明するようなセリフは入れずに、キャラクターの生活を映したシーンを通して伝えようとしている姿勢が、やはり山田尚子監督作品の手腕だなと感じた。描写が省かれても前後の場面がちゃんと繋がって見えるちょうどいい塩梅だったと思う。

満を持してやってきた、3人の色が混ざり合うライブシーンでは、本当にその場にいるかのような臨場感と高揚感に包まれた。ラストの『水金地火木土天アーメン』ではシスターも含め観衆全員が踊り狂い始め、「!?w」となったが、観ている自分の脳内もまさにこんな感じだったので何もおかしなことはなかったね。ずっと気になっていた一曲を爆音で浴びてテンションが最高潮に達してしまった。とにかく音が素晴らしいので、これから観るよという人には IMAX での鑑賞を是非オススメしたい。

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ここのレイアウト美しすぎて惚れた

きみちゃんはいいぞ

お前の一番好きなキャラは誰なんだよ?と聞かれたら、間違いなくきみちゃんをナンバーワンに選ぶだろう。普段は感情をあまり表に出さずクールに振る舞っている女の子が、好きなことをしているときにだけ見せる表情にギャップ萌えしてしまうんだよな。本当に好きなんだなって気持ちが伝わってくるから愛おしい。

おわりに

思春期を過ごした世代や通ってきた音楽のジャンルによっては、この物語や楽曲に意味を見いだせない人もいるかもしれない。それでも、この映画を好きだと思った自分の感性は、これから歳を重ねた先でも大切にしていきたい。

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タダで鑑賞できたのに結局グッズいっぱい買ってしまうやつ